アメリカ・ケンタッキー州のガレージ・パンク・バンド、ホワイト・リーパーの2017年のセカンド・アルバム『The World’s Best American Band』から。
仲間と呼吸を合わせ、大きな音を出して演奏することの楽しさをここまで素直に体現しているバンドも珍しい。アルバムの題名からすると、彼ら自身はそんな自分たちの姿勢をいくぶん諧謔を込めた目線で見ているようだけれども（それとも大マジなのだろうか？）。こういう音楽は今どきあまり流行らないのかもしれないが、天気のいい日などに時折思い出して聴いてしまう。
曲そのものも、バンドをやってはみたいけれど初めの一歩を踏み出すことをためらっている若者に向けられた内容。「If you play the right cards, the stack will get bigger」という歌詞は文字通りには「うまくトランプをやれば、手持ちのチップは増えるものだ」という意味だが、タイトルにもなっている「stack」はステージ脇に積み上げられたスピーカー群を指す言葉でもあり、「うまくチャンスをものにすれば、バンドはどんどんでっかくなっていくぜ」という励ましの言葉になっている。
