このところ新作も好調な『どうぶつの森』。シリーズ第1作が発表された2001年以来、売り上げは世界全体で累計3000万本を超えていて、1時間ごとにリアルタイムで変化していくそのサウンドトラックにも熱心なファンが多い。
普段はYouTubeにゲーム音楽のリミックスをアップしているオハイオ州在住のブロータドは、自身が成長の過程でプレイしてきたこのゲームシリーズ(英語では『Animal Crossing』)にアルバム1枚を丸ごとオマージュとして捧げている。シンプルで温かな原曲にローファイ・ヒップホップの手法を持ち込み、耳当たりと歯切れの良い、このゲームが持つ「慰藉」の感覚がより強調された音楽作品に仕立て上げている。
「Cicada Song」は『とびだせ どうぶつの森』の「午後7時」のリミックス。出だしの印象的なメロディーがストリングスに置き換えられているおかげか、なんだかその森には動物じゃないものまで住んでいそうだ。
「Stargazing」は『おいでよ どうぶつの森』の「午前3時」のリミックス。鍵盤ハーモニカがどこかVIDEOTAPEMUSICの「Fiction Romance」を思わせる親密な雰囲気を作り出している。後半のシャッフルビートへの変更も見事だ。